LEWITT = 革新的なアイディアと品質、マイクプロダクトに新風を呼び込む!!

Interview

2014 年4 月に日本市場に本格登場したLEWITT。音楽の都 ウイーンを本拠に、高音質かつ既存のマイクには無い、新しいアイディアが光るコスト・パフォーマンスに優れたマイクを次々と生み出すLEWITT社誕生の背景、製品の特長について創業者にして開発から品質管理までの全てを牽引する CEO Roman Perschon 氏にお話を伺った。

AKGで培ったノウハウと、そのバックグラウンド

Q: ご自身のバック・グラウンド、略歴についてお知らせいただけますか?

Roman Perschon(以下RP): 子供の頃より、好奇心旺盛で、冒険好きでした。外で友人と遊ぶことが多かったのですが、同時にレゴも大好きで、後にラジコンの自動車、飛行機に夢中になりました。そう、TAMIYA やKyosho のラジコンです。私はまだ、独身ですが、将来、家族、子供を持ったら、再開したいと思っています。一方で音楽も好きで、13 歳の時にはピアノのレッスンも受けていました。とはいえ、プロの演奏家を目指していたのでは無いので、音楽への情熱は演奏では無く技術的な方向に向くようになり、自身でアンプ、アクティブ・クロス・オーバー、PA スピーカーまでのセットを組み上げました。そのPA セットはティーン・エイジャーのパーティには最適で重宝しました。

その後、ウイーン工科大学に進みオーディオ&ビデオと電気通信を専攻しました。大学を卒業後はAKG 社に就職し、プロジェクト・マネージメント、戦略的ソーシングの責任者を務めていました。その間、業務を通じて、他部署、社外のサプライヤーと密接に仕事をし、非常に多くのことを学ぶことができました。世界中を旅し、単なるアイディアのスケッチの状態から、アジアの製造工場にて大量生産されるまで、多くのマイクの誕生のプロセスの全てのプロセスを監督し、実際に様々な経験を積むことができました。多くの人が関わるチームで彼らのニーズに応えながら、ディテイルまでの全てに高い完成度の製品を実現するためのノウハウをその時の実体験から多く、学びました。同時に歴史と伝統を持つ大企業には大きな恩恵があると同時にベストなアイディアであっても、それを現実のものとすることが出来ないことがあることもまた事実です。とはいえ、AKG 勤務時にともに過ごした人々、有意義であった時間、そして、開発に携わった製品に、今でも感謝しています。

Q: LEWITT GmbH 社の創業の動機、経緯についてお聞かせいただけますか?

RP:LEWITT GmbH 社の創業は2009 年です。前職時代から、マイクの製品企画、開発に携わる中で「よりイノベイティブ、より機能が豊富、そして何よりも重要な音が素晴らしいマイク」を世に出すこと、マイクに進化の余地があるという確信を抱いていました。しかし、このビジョンを現実のものとするために、進取気鋭の精神を持った精鋭によるチームが必要でした。チームを編成するにあたって、大きなポイントとなったのはパートナーであるKeng Yang と出会ったことです。アジア最大規模かつ、品質面でも非常に優れたマイク製造施設を持つ彼と出会い、ビジョンを共有することになったことがLEWITTの大きな第一歩だったのです。彼とLEWITTGmbH 社を設立し、続け様に、これまでの仕事を通じて出会った仲間からこのビジョンを共有 できる精鋭に声を掛け、理想的なチームを編成しました。

世界各国から、各部門のエキスパートが集った多様性に優れたチーム

RP:私達のチームはコンパクトでストレートかつスピードがある組織ではあると同時にグローバルに展開しています。ウイーンではプロダクト・デザイン、プロダクト・マネージメント、マーケティング・スタッフが勤務しており、営業拠点はオランダにあります。そして、製造、品質管理、ロジスティクスは中国、及び香港の自社施設にて運営されています。加えて、実際にお使いになるユーザーであるプロ・オーディオ業界の人々と多くのコミュニケーションの機会を持ち、相互理解を深めていくことが重要なことは言うまでもありません。そのため、ロスアンゼルスにアーティスト・リレーションの拠点を持ち、ヨーロッパのエンジニア、アーティストに加えて、米国のエンジニア、ユーザーともコミュニケーションを持っています。私たちのチームは多種多様な経験、スキル、興味を持つ世界各国のメンバーにて構成されています。エンジニアだけをみても、若く、新しいアイディアを持つ者、マイクの開発、製造に長いキャリアを持つ者など、皆、自身のフィールドで活躍できる人ばかりで、専門性の高い多種多様な人々が集まることで、相互を補完、刺激しあえる良い環境が自然に生まれています。このチームから最初に誕生したマイクがLCT640 ( ラージ・ダイアフラム・コンデンサー・マイク)です。以降、私が掲げたビジョンを具現化した製品を開発し、シリーズ、モデルの拡充とともに、ユーザー層も拡大し、販路も世界各国に広がっています。

Q:LEWITT の信条は

RP:「プロ・オーディオ業界の方、エンジニア、アーチストに卓越したツールを提供すること。」です。エンジニアなどのユーザーがライヴであれレコーディングであれ、パーフェクトに音を捉えることをサポートすることです。LEWITT のマイクは楽器、声をピュアに収音します。それゆえに、テーマ・フレーズとして使用している「unaltered, authentic andmemorable 」(訳註: 不変、本物、記憶に残る)なマイクの提供をすべく、様々な使用環境に配慮し、マイクを再デザインしています。そして、同時に企業組織としては、ダイバシティー(多様性)、前向きでソリューション重視の思考を重要視し、既存の慣習に固執しません。私たちは若く、伝統や名声が基盤にあるのではありません。そのこと自体が素晴らしいのです。私たち自身でブランド、文化、ストーリーを最初の一歩から作ることが出来るのです。まだ、この素晴らしく、そして永く続く旅の始まりにいるのです。

Q: 旅の目的地はどこですか?

RP:全てのスタジオ、SR 会社のマイク保管庫に、LEWITT のマイクが必ず、あるぐらいの存在になることです。私たちはブティック・ブランドではありません。プロフェッショナル・マイク・ブランドとして世界中のプロフェッショナル・エンジニア、ミュージシャン、愛好家の間で認知され、高評価をいただくまでになることです。マイク市場には確固たる地位、シェアを持つ強力なブランドが存在します。彼らが長い年月を掛けたブランドは大きな力を持っています。無数のブティック・ブランドが存在します。ブティック・ブランドは玉石混交ではありますが、エンジニアを魅了する素晴らしいマイクもあります。そういった市場環境を考慮しますと、新しいマイク・ブランドはスマートであると同時にプロフェッショナルなユーザーに優れた音と(機能、技術、デザインなど、トータルで)魅力的なパッケージを提供することが不可欠です。LEWITT ではユーザーと実際に使用されるアプリケーション、環境を常に意識しながら、技術、そしてイノベーションにフォーカスし、新しいアイディアがユーザーのプロダクション品質を向上させる、開発、製品作りに努めています。

Q: デザイン哲学に通ずるところでしょうか?

RP:そうですね。私たちは限界への挑戦が好きな組織です。LEWITT のデザイン、開発プロジェクトの出発点はユーザーの要望、アプリケーションを定義することです。ユーザーの要望とは、実際に声に上がったものだけでは無く、潜在的にユーザーにあるものも含みます。続けて、定義したものに対して、改善方法、シンプルで容易なアプローチについて知恵を絞ります。そのようなR&D の初期段階に於いて、私たちのダイバシティーな組織は重要なポイントです。画一的な組織とは異なり、多様なアイディアが相互に反応し、クリエイティブなアイディアがより生まれ、R&D のレベルが上がります。様々な経験、ノウハウの集合により、賢明な技術デザインが可能になります。デザイン哲学について、加えますと、外観のデザインも重要視しています。マイクにとってサウンドがメイン・パートです。しかし、音質と同様に外観もプロフェッショナルである必要があります。マイクのデザインはアーティストに心理的な影響を与えます。マイクの外観がアーチストにプロフェッショナルであることを感じさせ、本人が気持ちの良い状態になることで、そのパフォーマンス、作品も良くなります。LEWITT のマイクをご覧いただけましたら、感じていただけると思います。マイクの外観から「最新技術」、「モダンなサウンド」、「暗いステージでも視認性に優れたLED によりイルミネーションなどの利便性に優れた機能」を予期するのではないでしょうか?

Q: プロダクト・デザインも全て自社ですか?

RP:はい。すべて自社内でデザインしています。外観、ハードウエア、内部回路、マーケティング、ブランディングに至るまでプロダクト・デザインはすべて、ウイーンのチームによるものです。私もデザインには深く関わっています。

Q: 今後の新製品の予定は?

RP:ここまでの5 年間に更に知識は充実化し、効率性に優れた組織としても成長しました。次のステップとして、蓄積したリソースをマイク以外の製品にも注ぎたいと考えています。そして、今はデジタル/ ドメインに注力しています。その第一弾とも言えるのが、今年の夏に発売予定にDGT 650USB ステレオ・マイク/ インターフェイスです。DGT 650 は単なるUSB マイクではなく、LEWITT オリジナルのiOS レコーディング・アプリとの連携や、バッテリーを搭載してのフィールド・レコーディングなどが可能な画期的な製品です。加えて、これまで通り、マイクのラインナップも更に拡充します。セルフ・ノイズ 0dB-A を実現したコンデンサー・マイクLCT550 も今年、発売になります。

Q: 最後の質問です。将来、どのようなマイクを開発したいですか?

RP:伝説的マイク!ユーザーにとって欠け替えの無い、傑出したマイクですね。

Life is too short for bad sounding mics.
(一生は短い。音に不満のマイクに付き合う時間はないのです。)

2014年5月取材

FACTORY

世界の精密機器製造の中心地、中国 広東省にあるLEWITT 自社生産施設。最新の工作機械、検査設備を備え、品質、生産量の両面で世界屈指の製造能力を保有する。常駐のQC,生産管理スタッフに加え、ローマン・パーション自身も頻繁に工場を訪問し、品質の維持、改善に尽力している。

1. 極薄、軽量のゴールド・レイヤード・ダイアフラム 2. 生産ラインの一角。コンピューター・コントロールされた最新の金属加工機、SMP 機器を装備、世界屈指のマイク生産能力を持つ。 3. アッセンブル・セクションでもAudioPrecision 社のアナライザーにて特性が検査される。 4. 工場内にある無響室にて検査の上、出荷される。


Roman が語るラインナップと先進的な独自技術

創業から5 年にも関わらず、充実したラインナップのLEWITT マイク。
各シリーズとLEWITT の独自技術、機能については、ウイーンを中心にグローバルに活躍する若くも優秀なエンジニア・チームが生み出しています。LEWITT の先進技術は今の環境に最適化したマイクの進化を示すものです。



LINE UP

LCT シリーズ : Recording

クリティカルなレコーディング用のハイエンド・ツールです。LCT シリーズ全モデル共通して、スペック・データが示す通り、比類なき忠実性、そしてオーセンティックなサウンドを提供します。セルフ・ノイズ、ダイナミック・レンジ、トランジェント・レスポンスなどに優れており、加えて、クリッピング・ヒストリー、真空管とFET の共存など、プロダクション、クリエイティブ・プロセスをより快適に、より優れたものとする機能を搭載しています。

MTP シリーズ : Live

ライブ・サウンドでもスタジオのようにナチュラルなサウンドが得られるようデザインされたライブ用マイクです。耐久性の高さ、そして、細部に至るまで使用環境に配慮したアイディアが注入されています。用途、クラスに合わせて多彩なモデルがラインナップ。ダイナミックのフラッグシップである、MTP840DM では小音量も忠実に再生できるよう、ファントム電源で稼働するプリアンプを搭載。独自のアイディアが大きな効果を実現しています。

DTP シリーズ: Drum and Percussion

ドラム、パーカッション用にデザインされたマイクです。キック用に開発されたフラッグシップ DTP640REX は私たちのデザイン戦略が良く現れたモデルです。ダイナミックとコンデンサーのデュアル・エレメントが1本のマイクになっており、その可能性とトーンのバリエーションは無限です。DTP640REX を含むドラム用マイクキット DTP Beat Kit Pro 7 も人気モデルです。Adele やJ-LO のワールド・ツアーに採用されています。

DGT シリーズ

DGT シリーズは今年のNAMM ショーで発表した最新シリーズです。多くのマイク・メーカーのUSB マイクに開発、改良の余地があり、その潜在能力が大きさを認識していました。DGT650 がシリーズ最初のモデルです。DGT シリーズは単なるUSB マイクでは無く、iPhone, iPad を簡単かつ楽しめるレコーディング・ツールに変えるUSB レコーディング・システムとして幅広い用途に対応するマイクロフォンです。



TECHNOLOGY

マルチ・ステージ・ハイパス・フィルター、アッテネーター

最大4 タイプのハイパス・フィルター、アッテネーターを搭載。これによって環境に合わせてファイン・チューニングが可能です。LCT シリーズではノイズレス・スイッチで操作可能です、MTP シリーズではセッティングが不意に動かないよう配慮されています。

アクティブ・ダイナミック・マイク

MTP840DM にはダイナミック・マイクにアクティブ・プリアンプが搭載されています。ファントム電源が供給されなければダイナミック・マイクとして動作します。これにより、ダイナミックの耐久性とコンデンサー・マイクのような高感度、そして繊細な表現が可能になります。

オートマティック・アッテネーション

マイクがクリップを検知した場合に自動でアッテネーション・レベルを切り替えます。サウンド・チェック、リハーサル時にこの機能を活用するとマイクの最適なパッド設定が可能です。

デュアル・エレメント

1本のマイクにダイナミックとコンデンサーが搭載されています。それにより簡単なセットアップで、ダイナミックが捉えたアタックとコンデンサーが捉えたボディの響きの両方を収音可能です。両エレメントは独立して出力されるのでバランスもミキサー側でコントロール可能です。

クリッピング・ヒストリー

マイクでのクリップの発生歴の有無を確認することが可能です、マイクの最適なポジションの把握に活用いただけます。

イルミネーテッド・インジケーター

スイッチ、設定がLED で点灯するため、照明を落としたブース、暗いステージでもムードを壊すことなく容易にセッティングを把握しオペレーション・ミスを防止できます。

エンハンスド・フリーケンシー・レスポンス

キックに最適化したフリーケンシー・レスポンスを搭載しています。3 タイプの中から、ナチュラルからよりキック用に強調されたサウンドまで選択可能で、力強いキックを演出可能です。