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「真空管マイク」とは?

Oct 16, 2024 5 min read

LEWITT Content Team
Enthusiasts at work

LCT1040 真空管マイク

マイクメーカーは何かと真空管マイクを持ち上げますよね。例えばこんな表現を目にしたことはありませんか?"ビンテージ感"や"ナチュラルな音色"、そして、"真空管の暖かみ"

それって本当に意味があって言っているのでしょうか?もちろん答えは「イエス」。これからその意味を紐解いていきましょう。

真空管マイクの音を聴こう

まずはそれぞれFET回路と真空管回路を搭載したスタジオマイクのサウンドサンプルを聴いてみましょう。細かい違いがわかるように、スタジオモニターやヘッドホンをご使用されることをおすすめします。

これらのサンプルは全てLCT 1040で収録されたものです。このマイクは4種の真空管モードと、別系統のFET回路を搭載しています。お聴きの通り、それぞれかなりサウンドに変化があります。

LCT 1040

究極のマイクロフォンシステム

 

真空管がマイクの音に加えるものとは?

FETと違う真空管の真の「魔法」は、マイクを音源に近づけ、ヘッドアンプを強く作動させた時に聴くことができます。

真空管は、人間の耳に心地良いとされる倍音を発生させます。また、緩やかなコンプレッションを加え、その音も素晴らしいです。

Even harmonics created by a 100 Hz sine wave run through a tube compressor.
100Hzのサイン波を真空管コンプレッサーに通した際に生成される倍音成分の例。

 

真空管マイクの欠点は?

真空管マイクの欠点の一つは、セルフノイズが高いものがあることです(特に古い回路のもの)。セルフノイズが高いマイクは、現代の音楽制作においては問題となります。

ボーカルの重ね録りや、強いコンプレッションをかけた後では、セルフノイズが聞き取れるようになり、レコーディングに悪影響を及ぼします。

一部のいわゆるヴィンテージの真空管マイクは、70年以上も前に設計・製造されました。素晴らしいサウンドではありますが、古い技術や製品は信頼性に欠けることがあり、そのため定期的なメンテナンスが必要になります。

当社の真空管マイクのラインアップは、これらの問題を解決します。

LEWITT PURE TUBEは、全真空管マイクの中で最も低いセルフノイズ——わずか7 dB (A)——を実現しており、強いコンプレッションを使用しても、レコーディングでノイズの問題に悩まされることはありません。

当社の真空管マイクは長持ちするように作られています。その信頼性の高い設計を強調するため、私たちはPURE TUBEとLCT 1040に10年間の保証を提供しています。

LEWITT tube microphones

PURE TUBE

色褪せないサウンド

 

LCT 1040

究極のマイクロフォンシステム

 

真空管マイクの仕組み

マイクカプセル内のコンデンサーから生み出される電気信号は極めて微弱なので、ケーブルを伝って他の機材に送られるためにはアンプが必要です。このマイク内のアンプのことを「ヘッドアンプ(Head Amp)」と言います

ヘッドアンプの方式には主に「真空管」「FET(Field Effect Transistor)」の二種類があります。役割は同じですが、その仕組みは全く違います。

真空管(もしくは三極管)の内部には3つの電極(カソード、グリッド、アノード)があります。真空管が温まると、カソードからアノードへと、電子がガラス管内の真空中を流れ始めます。その間にあるグリッドが、その微弱な信号を受け取ります。

電子がカソードからアノードへと流れる過程でグリッドを通ると、グリッドはその電気信号を加工し、大きく増幅された、低インピーダンスの電気信号へと変換します。そうして、電気信号はケーブルを伝ってその後の機材に送られる準備が整います。

マイクの仕組みをもっと詳しく学びたい方は「How does a microphone work?」(英文)をご覧ください。

結論

真空管マイクは特定の用途で輝くものです。それをまるでステータスの象徴のように扱ったり、逆に中身のない過大評価だと断じたりするべきではないでしょう。

他のマイクと同じように、自分のマイクの音を知り、用途に合わせたものを使用するのが一番大切なことです。常識にとらわれる必要はありません。結局はいい音で録れればそれが正解なのです。

その上で、もしハイエンドの真空管マイクをお探しであれば、LEWITT PURE TUBEはいい選択肢になるでしょう。


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